素材支給でステムシャフト作製依頼が入ってきた。
Ti-6Al-4V。64チタンと言った方が馴染みがあるかも。
一般的には「軽くて軽量」と言う認識のオートバイ向き?な素材。

素材丸棒。
持った感じ軽くは無いけど、SUSなんかに比べればやっぱり軽い。
φ35の300mm。量ってみようとしたら1kg超で量れず、無念。


切削した感じは硬くて熱を持ち易い。
割とさくさく削れ、表面仕上がりは悪くないが、切削速度や量によっては刃物が当たっているところで火花が見られる。
切り込み深さは少なめ。回転数も遅め。意外と送り速度は高くても可。
刃物はその発熱のためもちが悪い。
切子は繋がった状態ではあるが硬質。
強めに剥がそうとすれば割れるように切断されるが、巻き付くと厄介。
切削過程での熱膨張率は低めの様子。

ネジ切は入る部分で刃物が逃げる。
余剰付けて、後で少し落とさないと先端部分のピッチが合わない。転造が良さそう。


穴を貫通させたいが、ドリルが熱損でギブアップ。
入って10mmぐらいは割とサクサク行くが、熱が上がり15mmで終了。
太目のドリルで一気にという訳にはいかず、下穴を開ける必要、且つ低回転で切削。
何度かに分けて穴径拡大。
上からアルミ(A7075)。64チタン(Ti-6Al-4V)。純正スチール製



左から、アルミ(A7075)。64チタン(Ti-6Al-4V)。純正スチール製
アルミ製のシャフトの肉抜きが一番多くされているので単純にアルミが極端に軽いと言うわけではなく、64チタンのシャフトの肉抜きをアルミ以上行えばアルミ並の重量は可能かもしれない。
但し、素材の価格と剛性や加工難度による価格の上昇を考えると、ステムシャフトとしては適材には思えない。
因みに、64チタンシャフトの素材の価格だけでアルミ製のシャフト製作が十分に可能な金額。